法定相続人ある人の死亡により、その財産を承継できる者は、民法で定められており、
これを「民法で定められているところの相続人」、略して「法定相続人」といいます。
また、法定相続人にも順位があり、後順位の者は先順位の者がない時にはじめて相続人となります(民法887〜890)。
第1順位:子及びその代襲者(再代襲者)
第2順位:直系尊属(ただし祖父母より父母が優先)
第3順位:兄弟姉妹又はその代襲者
なお、配偶者は、この第1〜第3順位の者と常に同順位で相続人となります。
養子や認知した非嫡出子(婚姻していない男女の間に生まれた子)についても、実子と同順位で相続人となります。
また、相続開始時点でまだ生まれていない胎児についても相続権が認められています(民法886)。
以上の他、相続人に関しては、(i)相続欠格(民法891)や(ii)推定相続人の廃除(民法892)などの規定があります。
相続人の不存在
相続人のあることが明らかでない場合(相続人がいるかも知れないが不明の時も含みます。)には、
一方では相続財産を管理・清算しつつ、他方では相続人を捜索することになります。
これらの一連の手続については、民法第951条〜第958条に定められていますが、
最終的にすべての手続が終了し、相続人が存在しないことが確定した場合には、
その日から3か月以内に特別縁故者の請求により、
その特別縁故者に相続財産の一部又は全部が与えられます(民法958の3)。
この請求は、被相続人の住所又は相続開始地の家庭裁判所に申し立てます。
以上の手続完了後に未清算の財産がある場合(特別縁故者の請求がない場合も含みます。)には、
その財産は国庫に帰属することになります(民法959)。
なお、特別縁故者とは、(i)被相続人と生計を同じくしていた者、(ii)被相続人の療養看護に努めた者、
(iii)その他被相続人と特別の縁故があった者をいい、財産の分与を受けた特別縁故者は、
被相続人から遺贈により財産を取得したものとみなされ、相続税が課税されます(相法3の2)。
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